大きな理想に向かって
皆様、あけましておめでとうございます。 旧年中、真に皆様のお陰をもちまして無事に通らせて頂く事ができました。 本年も厳しく柿谷に対し、御指導して頂きたいと思います。どうぞよろしくおねがい致します。 昨晩、とある雑誌を見ていると天理大学の飯降学長と サグラダ・ファミリア 専任彫刻家の外尾悦郎氏の対談を見つけた。外尾氏については僕は面識はないが飯降学長はドイツのケルン大学で雅楽公演があった時に少々お話をさせて頂いた。飯降学長はハワイにいる親戚の柿谷は知っていたようなので話は早かった。さて、サグラダ・ファミリアというのは、建築家アントニオ・ガウディ―の設計によるもので2005年に世界遺産に登録された。建築が始まったのは1882年で、その当時バルセロナは産業革命の真最中で町は大きな繁栄を遂げていたそうだ。しかし、その反面貧富の格差は広がり、一部の人間の心は荒んでいったそうだ。その状況に憂いを感じた書店店主ジュゼップ・マリア・ボカベーリャが社会の最小単位である家族に重きを置く「聖ヨセフ帰依者協会」を設立し、その家族を大切にするという理想の象徴としてこの教会の建築を提案したのがサグラダ・ファミリアの建設に至ったようだ。 外尾氏によると、ガウディは常に言ってたそうです。 「まず初めに愛があり、次に技術が来るのだ。」 外尾氏は言います。「サグラダ・ファミリアの建築において、形の完成よりも大事なのは、それを作り上げていくことによって人類が成長すること。これが実は課題なのだ。」 この“人類が成長すること”。この言葉は僕にとって実はすごく普遍性を持っているようで持っていない印象を受けるのです。昨年の九月の終わりにインドに行ってたくさんの物乞いを見てきました。もう数時間で死ぬんじゃないかという道に倒れている人間をたくさん見ました。この人達にとって心の成長などという意識はないのです。ただ腹が減っていてお金が欲しい。おそらくこのような国はアフリカに行かずともアジアにもまだたくさんある。だからこの”成長すること”というのはすごく大切なことだけれどもすごく難しい言葉だと思うのです。 この対談ではその他、文化について、文明について、本物というものについて語られています。 飯降学長が最後にこのように締めておられます。 「私たちは、人々が心に希望の火をともし続け